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ヤブウォンスキ先生公開レッスン

2025.09.19 イベント

先日ベヒシュタインセントラム・ザールで行われました、ショパンコンクールの審査員でもあるヤブウォンスキ先生の公開レッスン(クシュトフ・ヤブウォンスキ教授 特別ピアノマスタークラス)へ 聴講に行きました。

ヤブウォンスキ先生は、ショパン国際ピアノコンクールにおいて、動画審査・予備予選・本大会審査すべての公式審査員を務める世界的ピアニストです。

今回5年ぶりの日本でのマスタークラスということで、受講生の中にはなんと、10月のショパンコンクール本選出場の西本裕矢さんと京増修史さんが加わっておりました。とても弾けるお二方のレッスンがどのようなのか、そんな貴重な瞬間に立ち会える喜びを感じて、ワクワクして行きました。

実際のヤブウォンスキ先生は、とっても大きな方で、気さくで優しく、いつもニコニコ、冗談も交えながら朗らかに笑い、朝から晩まで休むことなく立ちっぱなし、話し、時には歌い、ずっとレッスンをなさっていて、その体力にも驚かされました。

西本さんも京増さんもとても美しく非の打ち所の無い演奏でしたが、本当に細かい重箱の角を突くような先生のアドバイスがあり、それをすぐさま吸収してお弾きになり、音楽が変わる瞬間が魔法のようで、とても素晴らしかったです。先生自らポロネーズってこういうんだよ。と通訳の方と踊てくださったシーンもありました。

一番衝撃的だったのが、先生の歌でした。よくピアノを弾く時に歌ってと言われますが、歌とはこういう歌だったのか!と思いました。まるでシャンソンのようでした。音から音への間に大きな抑揚がありました。

例えば日本の荒城の月を思い浮かべた場合、「はるこうろうの」の「はる」の間は一定ですが、ポーランド語だとそこに抑揚が入る感じと言ったら伝わるでしょうか。これは、言語の違いが大きいと思いました。私が思っていたショパンの歌心の概念が変わりました。

シャンソンみたいというのは先日聴講した、ショパンピリオドコンクールで2位入賞の川口成彦さんの、その時のレクチャーの中でもおっしゃってました。

先生は歌というか、話すように、語るように歌ってました。

実際に聴いて、語るように弾くという意味が腑に落ちたように感じました。

受講生の中に小学3年生がショパンのワルツをレクチャー受けてましたが、お子さんに教える時はお子さんが自分の口で数を数えながら弾くこと!音価を細かくして付点まできちんと数にはまるように数を数えてゆっくりから徐々に速くして練習・・・とおっしゃってました。先生がイチ・ニ・サン・シと日本語で数えてたのがチャーミングでした。

ポーランドへ行かずとも、とても貴重な体験ができてすばらしい企画でした。